格助詞は名詞の直前に置かれ、その名詞の格を示す品詞である。助詞1語による格助詞は18種類あり、それ以外の格助詞は幹詞に前置詞「bi/
ビ」を添える事により示す。前置詞「bi」を伴う格助詞についての解説は後日とし、以下に、助詞1語による格助詞を一覧とする。
◆通常は省略される格助詞
主格 (〜が)…… ha/
ヒャ与格 (〜に)…… vi/
フィ対格 (〜を)…… ri/
ルィ ただし、倒置文やSVOO構文などでは必須となる場合がある。基本的なSVO構文を使う場合これらの格助詞は省略するが、強調の為に復活させても差し支え無い。
なお、アスガル語の「与格/対格」と日本語の「ニ格/ヲ格」は必ずしも1対1で対応するわけではなく、動詞によっては逆に訳すべき場合も少なくないので留意されたい。詳細については後日、それぞれの動詞の用法と共に解説する。
◆特定の態のみで使われる格助詞
(使役受動態で使われる) 使役主格 (〜に…させられる)…… lë/
リェン
(受動態で使われる) 動作主格 (〜に…される)…… bï/
ビン
(交互態で使われる) 対向主格 (〜と…し合う)…… hä/
ヒャン
(使役能動態で使われる) 被使役格 (〜に…させる)…… rë/
レン
これらの格助詞がある場合、動詞の持つ態が自動的に特定される為に、助動詞によって態を明示する必要は無くなる。
◆その他の格助詞
時間 (〜で・〜に)…… xö/
ゾン
場所 (〜で・〜に)…… bö/
ボン
状況 (〜で・〜に)…… nä/
ナン
手段 (〜で)…… ho/
ヒョ随伴 (〜と)…… vï/
フィン
関連 (〜の)…… fi/
ヘィ所有 (〜の)…… fo/
ホォ所属 (〜の)…… fu/
ホゥ起点 (〜から)…… cö/
チョン
経由 (〜経由で)…… nï/
ニン
終点 (〜へ・〜まで)…… ßä/
サン
※1) 状況の「nä」は、総合的なTPOを一言で示す際に使う。例えば「昨日のパーティーで」の『で』は、単に昨日あったパーティーの開催中という『時間』を表わすわけでもパーティーが行われた会場という『場所』を表わすわけでもなく、総合的に「昨日のパーティー」の中という状況を表わしているので「nä」を使う。
※2) 関連の「fi」は、所有・所属関係の無い「AのB」を表わす。例えば「彼の写真」という語を訳す際に、それが「彼の所有する写真」の意味なら「fo」を、「彼が写った写真」の意味なら「fi」を使う。
※3) 所有の「fo」と所属の「fu」の違いは、例えば「私の会社」の『私』がワンマン社長なら「fo」を、単なる一社員なら「fu」を使う。
※4) あまりある事ではないが、経由の「nï」を場所ではなく時間に対して使う際は「少なくとも、その時間には行われている最中だった」といった感じの意味になる。日本語にはこれを一言で表わす言葉が見当たらないので、訳す際には特に文脈に留意されたい。
文法/格助詞・接続詞
等位接続詞は接続詞の一種であり、語句や文・節同士を同じレベルで繋ぐ接続詞である。どういったレベルで繋ぐかによって3種類に分かれる。等位接続詞には、助詞1単語による物と、幹詞に前置詞を添えた物がある。前置詞によって示される物についての解説は後日とし、ここでは助詞1単語による接続詞について解説する。
文・節レベルで繋ぐ場合と語句レベルで繋ぐ場合とでは、互いが動詞を含んでいるかが区別の為の判断材料となる。
◆等位接続詞 (文・節 語句 それ以下)
順接…… fä/ハン fï/ヘィン fü/ホゥン
逆接…… dä/ダン dï/ディン dü/ドゥン
選択…… gä/ガン gï/ギン gü/グン
並列…… sä/シャン sï/シン sü/シュン
「それ以下」とあるのは、語句よりもさらに小さい要素でつなぐ場合に使う事を示している。下の例2では、接続詞「sü」が「bois」と、句である「pöme ga ruge」中の単語「pöme」のみをつないでいるので、形容詞句「ga ruge」が「bois sü pöme」に掛かっている事が判断出来る。
例1) bois sï pöme ga ruge……木と、赤いリンゴ
例2) bois sü pöme ga ruge……赤い、木とリンゴ
単語) pöme/ポン
メ……リンゴ ruge/ル
ゲ……赤色
文法/格助詞・接続詞
助詞1語による接続詞について、残りの全てを解説する。ただし、前置詞「so」と共に用いられる接続詞「se~」についての解説は、後日『接続詞を示す前置詞』の項で行う。また、接続詞「yu」については既に『助詞/比較詞』の項で解説済みであるので、ここでは言及しない。
比較対象…… yu/
ユ前置詞「so」と組で用いる…… së/
シェン
括弧開く…… lï/
リン
括弧閉じる…… rï/
ルィン
that節のthat…… dö/
ドン
なぜなら…… vä/フ
ァン
◆括弧の接続詞「lï/rï」
語句や節が長くなりすぎてしまう場合に「lï」と「rï」で対象を挟む事により、区切りを明白する事が出来る。これは意味を明確にしたい場合にのみ使えばよいのであって、普段から使われるわけではない。
例) Jä la sait fë vi lï lä nap cät bi puv fë xö neufäno bö misö fo jö ha më rï xö napäno fo fë bö ekole./
ジャン・
リャ・シャ
イト・
ヘン・
フィ・
リン・
リャン・
ナプ・
チャン
ト・
ビ・
プフ・
ヘン・
ゾン・ネウハン
ノ・
ボン・ミ
ション・
ホォ・
ジョン・
ヒャ・
メン・
ルィン・
ゾン・ナパン
ノ・
ホォ・
ヘン・
ボン・エコ
リェ……私は“彼が正月に自分の家で彼女の為に歌を生み出した事”を彼女の誕生日に学校で彼女に伝えた。
単語) sait/シャ
イト……知識、<自動詞>[与格]を知る、<他動詞>[対格]に[与格]を教える nap/
ナプ……誕生、創造、<自動詞>産まれる、<他動詞>[対格]を産む cät/
チャン
ト……歌、<再帰動詞>〜を歌う puv/
プフ……<格助詞>〜の為に neufäno/ネウハン
ノ……新年、正月 ha/
ヒャ……<格助詞>主格 napäno/ナパン
ノ……誕生日
この例文の場合、接続詞「lï/rï」が無ければどの行動がいつどこで行われたのかが判りづらくなる。
これはしかし、我ながら典型的な悪文だと思います。接続詞「lï/rï」のおかげで何とか意味が取れなくもありませんが、それにしても通常は文を2つに分けるとかして対処するべきでしょうね、本来ならば。◆名詞節の接続詞「dö」
「dö」は、英語の「that節のthat」にあたる接続詞である。よって、通常は名詞節のみを従えるはずであるが、指示詞「yï/yi」の後に表れた場合は名詞句を従える事がありうる。これは、「dö」がいわゆる「It/That構文のThat」として用いられる事による。
◆理由の接続詞「vä」
理由の接続詞「vä」は、接続詞句「ge rais」(英語の「because」にあたる)または格助詞句「bi rais」(英語の「bacause of」にあたる)と同じ物と考えて差し支え無い。品詞としては「格助詞的用法の可能な従属接続詞」と考えれば最も近いであろう。
例1) Jä ßa amik cat vä bo beav./
ジャン・
サ・ア
ミク・
チャト・
ファン・
ボ・ベ
アフ……私は猫が好きだ、なぜなら美しいから。
例2) Jä ne ra av veni je ekole vä yuye./
ジャン・
ネ・
ラ・
アフ・フェ
ニ・
ジェ・エコ
リェ・
ファン・ユ
イェ……雨なので学校に行かなかった。
例3) Jä ne ra av veni je ekole vä yuye ßa es./
ジャン・
ネ・
ラ・
アフ・フェ
ニ・
ジェ・エコ
リェ・
ファン・ユ
イェ・
サ・
エシ……雨が降ったので学校に行かなかった。
上でも述べたように、本来別に「vä」という接続詞は必要無かった訳です。なのに何故設定したかというと、単に「1つ余った」というのが理由だったりします。助詞230個にそれぞれの役割を当てはめていった結果として1つの余剰が生まれたので、従属接続詞の中でも一番よく使いそうな「〜なので」という語を短く表現出来る事にしました。ですのでもし将来的に、新しい意味を持つ助詞を何か一つ作りたくなった場合、この「vä」が真っ先に改変対象に選ばれる事でしょう。はたして「理由の接続詞 vä」は、この先生き延びる事が出来るのでしょうか?(笑)
文法/格助詞・接続詞
接続詞を示す前置詞は6種類ある。
◆等位接続詞を示す前置詞 「ma/
マ mi/
ミ mu/
ム」
等位接続詞を示す前置詞は、どのレベルで各要素をつなぐかによって3種類に分かれる。これは、既に『品詞/等位接続詞』の項で解説した事と同様であるので、詳細についてはそちらを参照されたい。
文・節…… ma/
マ語句…… mi/
ミそれ以下…… mu/
ム◆従属接続詞を示す前置詞 「go/
ゴ ge/
ゲ」
従属接続詞を示す前置詞は、従属節と主節の位置関係により2種類に分かれる。
従属節 ⇒ 主節…… go/
ゴ主節 ⇒ 従属節…… ge/
ゲ例1) Cat bo beav go rais jä ßa amik./
チャト・
ボ・ベ
アフ・
ゴ・ラ
イシ・
ジャン・
サ・ア
ミク……猫は美しいから、私は好きだ。
例2) Jä ßa amik cat ge rais bo beav./
ジャン・
サ・ア
ミク・
チャト・
ゲ・ラ
イシ・
ボ・ベ
アフ……私は猫が好きだ、なぜなら美しいから。
単語) go rais/
ゴ・ラ
イシ……〜だから ge rais/
ゲ・ラ
イシ……なぜなら〜 (≒vä)
「ge rais」の代わりに「vä」を使っても基本的には同じ事であるが、「ge rais」はあくまでも接続詞句としてしか用いられないのに対し、「vä」は格助詞的用法がありうる。
例) Jä ne la veni je ekole vä yuye./
ジャン・
ネ・
リャ・フェ
ニ・
ジェ・エコ
リェ・
ファン・ユ
イェ……雨なので学校に行かない。
※) 「Jä ne la veni je ekole ge rais yuye.」とは言えない。「ge rais」を使いたければ「Jä ne la veni je ekole ge rais yuye ßa es./
ジャン・
ネ・
リャ・フェ
ニ・
ジェ・エコ
リェ・
ゲ・ラ
イシ・ユ
イェ・
サ・
エシ……雨が降っているので学校には行かない」などとする必要がある。
◆相関接続詞を示す前置詞 「so/
ショ」
相関接続詞を示す前置詞「so」は、接続詞「së」と共に使われる。
例1) so eplus cië së cat/
ショ・エ
プリュシ・チィ
エン・
シェン・
チャト……犬と猫の両方 (英語の「both 〜 and …」が、アスガル語では「so eplus 〜 së …」にあたる)
例2) so nizev cië së cat/
ショ・ニ
ツェフ・チィ
エン・
シェン・
チャト……犬でも猫でもない (英語の「neither 〜 nor …」が、アスガル語では「so nizev 〜 së …」にあたる)
英語とは異なり、1語の相関接続詞「eplus」が「both+and」の、「nizev」が「neither+nor」の意味を持つ。
文法/格助詞・接続詞